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小規模のアパートでは白色申告で十分!

セミナーなどでよく受ける質問に、青色が良いか、白色が良いかというのがあります。

ご承知のとおり、青色申告を選択しますと、代表的なものとして次の3つの特典が与えられます。

1.青色申告特別控除(10万円または65万円)を受けられる
   ※65万円の控除を受けるためには正規の簿記の原則(複式簿記のこと)に従って記帳すること、5棟10室以上であること、現金主義の特例を受けていないことが必要です。

2.青色事業専従者に対して給与を支給できる
   ※5棟10室以上であることが必要です。この要件は白色の場合の専従者控除の場合も同じです。

3. 純損失(不動産所得の赤字)の繰越控除を適用できる
   ※純損失の繰越控除とは不動産所得の赤字(純損失の額)を翌期以降3年間まで繰り越し、その時点の黒字の所得(給与所得、事業所得、不動産所得等)と損益通算することです。

したがって、一見、青色申告のほうが良いようですが、青色申告にもデメリットがあります。それは記帳義務です。上記青色申告特別控除でもご説明しているとおり、65万円の特別控除を受けるためには正規の簿記の原則に従って記帳をしなければなりません。

この正規の簿記の原則というのは要するに複式簿記のことですが、通常の財務会計のソフトを使って入力すれば自動的にこの要件を満たした書類が作成できます。ただし、あくまで入力を間違わないという前提に立っての話です。

ところがこれについては残念ながら一般の人で仕訳(しわけ)が正確に分かる人は少ないようです。したがって、当初はある程度、簿記の勉強をするとか税理士等に教えてもらう必要はありそうです(簿記の勉強はためになりますので是非トライして下さい)。

ところで上述したとおり、65万円の青色申告特別控除を受けたり青色事業専従者に給与を支給するためには5棟10室以上であることが必要です。もし、所有している物件の戸数がこれ未満であれば青色申告を選択したからといっても10万円の特別控除しか受けられません。労多くして実なしなのです。

一方、白色申告の場合には所得が300万円以下であれば記帳義務はありません。単に領収書等を保存しておくだけで良いのです。このようなことから、10戸以上のアパートを所有している場合はともかく、4戸とか6戸程度のアパートの場合は白色申告のほうが良いと思います。

なお、白色申告の場合は上述したとおり、所得が300万円以下であれば記帳義務はないのですが、家賃等の入金管理は当然ながらキチンとしておくべきですし、記帳義務がないとはいえ、現金出納帳程度はマメに付けておくべきです。これらは経営の基本の基本です。

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