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税務相談Q&A

先日、当事務所のお客様から税務に関していくつか質問されたのですが、土地活用をする場合には比較的重要な論点が含まれていましたので、今回はQ&Aという形でまとめておくこととします。

なお、このお客様は土地のオーナーではなく、不動産コンサルタントです。つまり、土地を所有しているオーナーから質問を受けたのですが、税務にはあまり自信がないので当事務所に相談に来られたというわけです。

このように当事務所のお客様(顧問先)にはオーナーの方だけでなく、このような個人のコンサルタントの方もいらっしゃるのです。

Q1.妻名義の土地に夫名義の建物(アパート)を建てる場合、税務上特に問題ありませんか?

A.地代をゼロとすれば特に問題ありません。地代がゼロであれば賃貸借ではなく使用貸借になり借地権が移動しないからです。

一般の人の感覚からすると、ある程度の地代を授受しなければ逆に問題になるのではないかと考える人が多いと思いますが、税務の世界では全く逆なのです。

なお、妻が支払っている固定資産税については夫の不動産所得の計算上、必要経費に算入できます。これを世帯単位課税と言います。

Q2.共有の土地を単独所有に変更する場合、持分どおりに面積を分ける必要がありますか?

A.土地の利用価値がだいたい同じであれば面積もほぼ同じにする必要があります。一方、表通りの土地と奥まった土地に分けるような場合には当然ながら土地の利用価値が違うわけですから、そのような場合には土地の時価(路線価等)を勘案して面積按分する必要があります。

そのようにしないと相手側に贈与したものとして贈与税が課税されますので、十分ご注意下さい。

Q3.借地権を買い戻した上でその土地にアパートを建てる場合、借地権の買戻し価格は減価償却費と経費のうちいずれになりますか? なお、その場合、年収からどういう引き方をするのですか?

A.この質問はハッキリいってビックリです。専門家からすると呆気にとられるのですが、一般の人の中にはこのような考えをする人がいらっしゃるのですね。

それでは答えを言います。減価償却費にも一般の経費にもなりません。借地権の買戻し価格は土地の取得費となるだけです。

将来、土地を売却する場合に譲渡所得の計算上、それだけ土地の売却価格から引くことはできますが、所有している限り一切経費にはなりません。

土地というのは減価することはないということで、建物のように減価償却することはできないのです。

Q4.耐震補強する場合のリフォーム代は一時に経費になりますか? なおリフォーム代は約1200万円です。

A.耐震補強に係る経費については内容を見ないとハッキリとは言えませんが、おそらく一時に経費にできるものはないと思います。

そして、一時に経費算入できないものについては資本的支出として一旦建物の取得価額に計上して減価償却することになります。

なお耐用年数は建物の本体に適用されている年数を採用することになります。例えば、建物の耐用年数が47年の場合、資本的支出部分についても47年を採用する必要があります。

建築後かなり経過している建物であっても新築の建物に適用されている47年で計算する必要がありますので、ご注意下さい。

このように税務というのは我々の常識では考えられないような処理を要求されるケースが多々ありますので、金額が重要である場合にはできるだけ専門家に相談するようにして下さい。

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