« 遺産分割に関する一考察 | メイン | 住宅ローン控除を受ける場合の面積要件について »

公正証書遺言だけがベストではない!

皆様方は遺言について考えたことはありますか? 今回はこの遺言について私の経験談を交えてご紹介したいと思います。

ご承知のように遺言の作成方法には次の3つの方式があります。

自筆証書遺言
公正証書遺言
秘密証書遺言

以下、それぞれについて簡単にまとめておきます。

<自筆証書遺言>
文字通り、遺言者自身が自書する方式です。自書ということですからワープロは認められていません。あくまでボールペンとか万年筆で書かなければならないのです。

ところがこれが意外と大変。財産がほとんど無いとか、全ての財産を特定の個人に渡す場合は「財産全部を△△△に相続させる。」といった文章だけでOKですが、細かい財産がたくさんあり、各人に配分しようとすると気が遠くなります。

もちろん間違えても修正することは可能ですが、修正箇所が多くなると何が何だか分からなくなってしまいます。

また不動産の場合には登記簿通りに正確に書かないと相続登記でハネラレル可能性がありますので、かなり神経を使うことになります。

ワープロで作成できればラクチンなのですが、それは一切ご法度。なぜ認めてくれないのか、いろいろ考えたのですが、公正証書遺言のほうに導こうとしているような気がします。公正証書遺言であれば公証人の仕事が増えるという理由からです。

因みに公証人になる人で多いのは元裁判官、元検事、元法務事務官です。つまり公証役場というのは、まぎれもなく、そういった人達の天下り先なのです。

そして、その8割ぐらいの人の年収が3000万円以上だということですから、かなりオイシイ商売です(身分は国家公務員でありながら独立採算制をとっています)。

<公正証書遺言>
公正証書遺言とは文字通り、公証役場で公証人に作成してもらう方式の遺言です。公正証書の場合には自書する必要がありませんのでラクチンラクチン。

ただし、利害関係のない証人が2名必要になりますし、所定の費用もかかります。なお、公正証書遺言を作成してもらうためには原則として公証役場に行く必要がありますが、それが難しい場合には自宅とか病院まで公証人が来てくれます。

来てくれるのは良いのですが通常の場合に比較して費用が1.5倍に跳ね上がりますし、出張費が1万円別途かかります。悩ましいところです。

なお、この出張ですが、最近は依頼する人が多いようで、先日電話した所は12日先まで予約が一杯でした。商売繁盛といったところでしょうか?

<秘密証書遺言>
この秘密証書遺言とはご自分で作成した遺言書(代筆とかワープロでもOK)に封をして公証役場に持参し、公証人に日付を記載してもらうというものです。

ただし、この場合も利害関係のない証人が2名必要になりますので、それなりの手間はかかります。なお、この秘密証書遺言を作成する人はあまり多くないようです。

以上ご説明した以外にもいろいろ違いはありますが、ここでは省略いたします。細かい違いを確認することが目的ではなく、遺言者の健康状態の違いで、どの方式がベターかについて私の経験談をご紹介することが主眼だからです。

実は前回のブログでご紹介したお客様のケースで、長女だけでなくお母様にも遺言書を書いてもらったのです。

その時、このお母様はガンを罹っており、余命いくばくもない状態でした。したがって公証役場の人に病院に来てもらう時間的余裕がなかったので(かなり先の予約になる)、自筆証書遺言にすることにしました。

入院している病院でお母様に実際に書いてもらったのですが、手が震えてなかなか上手く書けませんでした。それでも修正を重ねながらどうにかこうにか完成することができたというわけです。

ところで、このお母様はその5日後に亡くなられました。間一髪というところですが、人間の寿命というのははかないものです。

そういうわけで遺言書を書く必要性がある場合には、専門家に相談した上で、できれば元気な内に書いておきたいものです。

この記事へのトラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.43up.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/157

この記事へのコメントを投稿

初めてコメントをされる場合、コメントが表示される前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがございます。承認されるまでコメントは表示されません。その際はしばらくお待ちください。