住宅ローン控除を受ける場合の面積要件について
ご承知のように、平成21年または22年中にマイホームを取得した場合、次のように住宅ローン控除として最大500万円(長期優良住宅の場合 600万円)の適用を受けられるようになりました。
・控除対象借入金限度額 5000万円
・控除率 1%(長期優良住宅の場合 1.2%)
平成20年12月31日までは最大160万円でしたからマイホームを取得しようとしている方にとってはかなり朗報と言えるでしょう(逆に言えば、それまでに購入された方はガッカリといったところでしょうか)。
ところで、この特例を受けるためにはいくつかの条件がありますが、その中の1つに建物の床面積要件があります。
要するに建物の床面積が50㎡以上(上限はなし)でなければならないということですが、今回はこの床面積の計算方法について解説することとします。
ご承知のように建物の床面積を計算する方法には次の2つの方法があります。
<建物の床面積の計算方法>
1.「壁心」(または壁芯)により計算する方法・・・壁の厚みの中心線を想定し、その中心線に囲まれた面積を基にして計算する方法です。
例えば建築基準法では「建物の床面積とは壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の面積である」と規定していますので、この方法を採用していることが分かります。
2.「内法」により計算する方法・・・.内法(うちのり)とは壁の内側を基にして計算する方法です。
つまり実際に使用可能な面積だけで計算する方法ですから、上記の「壁心」により計算する方法と比較するとそれだけ面積が少なくなります。
例えば不動産登記法によると、「建物の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の中心線(一棟の建物を区分した建物については、壁その他の区画の内側線)で囲まれた部分の水平投影面積により・・・(以下省略)」(不動産登記法施行令第8条)。
つまり戸建ての建物等は「壁心」により計算するが、区分所有建物については「内法」により計算するというわけです。
それでは住宅ローン控除を受ける場合の面積はいずれの面積によるのでしょうか?
正解を言いますと、上記で説明した不動産登記法とまったく同じ基準なのです。その理由は住宅ローン控除の適用を受ける場合、登記簿謄本に記載している建物の床面積を基にして判断することになっているからです。
ところで不動産広告を規制している「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」では、新築マンションの場合、「壁心による床面積」を広告に表示することになっています。
したがって、例えば広告には52㎡となっているマンションを購入したところ、完成後の登記簿を見ると49㎡しかなかったということが生じるのです。
実際に私の知り合いにも面積不足で住宅ローン控除を受けられなかった人がいますので、皆様方も十分ご注意下さい。
この人は抽選で次点になっていたのですが、当選した方がキャンセルしたので購入できたということでした。キャンセルした人はおそらく50㎡に満たないということが分かったのではないでしょうか?
因みに、当選したときは夫婦ともどもバンザイ三唱したそうです。