アパマン投資において大切な3つのチェックポイント
今回はアパートとか賃貸マンションを購入するに当たって必ず守っていただきたい大切なチェックポイントを3つほど、ご紹介いたします。
いろいろな本を読んだり、お話を伺っていて、何となく不動産投資を安易に考え過ぎているキライがあるからです。
①表面利回りとか実質利回りは参考程度に考える。
ご承知のように不動産投資においては表面利回りとか実質利回りといった指標が用いられます。
そして、表面利回りの場合はアパマン経営に係る各種の経費、例えば、固定資産税とか管理費、修繕費等といった通常発生する経費(経常経費)を無視しているからダメだとして、実質利回りを推奨するのが普通です。
ところが実務上は、こういった経費を調査するのに時間がかかったり、正確に分かる人がいなかったりで、とりあえず表面利回りで判断するケースが多いようです。
いずれにしても、これらの指標はあくまで現時点での収入とか経費だけで計算します。ところが家賃収入というのは徐々に減少していきますし、リフォーム代というのは逆に増加していきます。
したがって本来であれば将来の推移についてもシッカリと分析することが必要であるにもかかわらず、利回りを多少高めに設定するといった程度でお茶を濁しているのが実情なのです。
このように利回りだけで判断するには限界があるにもかかわらず、面倒なために家賃収入とか各種の経費について金額ベースで予測しようとしない人が何と多いことか!
もちろん、正確に予測することはできませんが、利回りだけで判断するよりは余程マシです。その理由は金額ベースで将来の収支を予測する場合にはアレコレと考えるからです。
例えば、大規模修繕というのはある程度の期間毎に実施する必要がありますが、類似の物件を調査すれば、修繕費がどれぐらいかかるかは分かりますので、その額を収支に織り込むのです。
ところで、このように将来の推移を予測することはハッキリ言って面倒です。エライ人に、例えば実質利回りで10%以上あればバッチリですよ、と言っていただければこんなに楽なことはありません。
ところが、そうやって購入した場合には失敗する確率が非常に高くなるのです。何故かといえば、当該物件について何も調査しなくなるし、また考えるということもしないからです。
不動産投資というのは毎日のおかずを買うのとはワケが違います。是非、様々な状況を想定してシミュレーションするようにして下さい。
因みにソフトバンクの会長である孫正義氏は、重要な案件を検討する場合には専用のソフトを作って1,000通り以上のシミュレーションをするそうです。さすがですね。優秀な人はデキが違います。
②ゲンブツを自分の目でシッカリと確認する。
中古物件の場合には実に様々なマイナス要因が隠されています。同じような建物で、建てられた時期もほぼ一緒であったとしても、オーナーの考え方次第で建物はまったく違ってきます。
例えば、築20年の物件(鉄筋コンクリート造)が売りに出されていたとしましょう。皆様方はどのような物件を想像されるでしょうか?
私はお客様から依頼されてよく物件を探しているのですが、ゲンブツを見て仰天することがあります。
日頃から、それなりのお金をかけて手入れしておけば、かなり良い状態を維持できるハズなのですが、そうでないケースが圧倒的に多いのです。
日本人というのは本来キレイ好きなハズですが、イザ不動産となるとかなり怪しくなります。「古くなって入居率が下がってきたら売ろう。」と考えているオーナーの何と多いことか!
本来は、「キレイにして入居率がアップしたら売ろう。」と考えるべきなのですが・・・。
これが日本の中古不動産市場の現実です。そうであるならば、ババを掴ませられないようにするためにも必ずゲンブツを調査しなければなりません。
③手仕舞いまでのコストをすべて考慮する。
不動産は出口戦略が重要であると言われておりますが、これは要するに購入した物件を最後に自分の手から離れるまでのすべてのコストを考慮した上で購入するか否かを判断する必要があるということです。
例えば、不動産をいずれ転売するつもりならば、転売に当たっての仲介手数料とか譲渡所得税等を購入する段階から計算しておくべきだということです。
また、最終的に取壊すまで所有するつもりなら、立退き料とか取壊し費用等をキッチリと織り込んだ上で、購入するか否かを判断する必要があるということです。
特に鉄筋コンクリートといったガッシリした物件の場合には取壊し費用が思いの外かかってくる場合もあります。気を付けたいものです。
以上、3点ほど購入するに当たっての注意点を書きましたが、いかがでしょうか? 少しはお役に立てたでしょうか?
最近は不動産価格がかなり下がっておりますので、いろいろな方が虎視眈々と優良物件を狙っているようですが、くれぐれも単純な利回りだけで判断することがないよう、細心の注意を払うようにして下さい。