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2007年06月20日

修繕費と修繕積立金の必要額は?

アパートとかマンション経営における差別化は基本的にリフォームしかありません。もちろん、サービスの行き届いた様々な管理とか清掃等も当然必要ではありますが、これらとて基本的にはお金のかかることなのです(これらは管理費として別途必要になります)。

たとえオーナーご自身がこれらの仕事をやったとしても機会原価(費用)という考え方からすると実際上はお金がかかっているのです。

※機会原価(費用)とは、その仕事をすることによって犠牲となる他の仕事から得られたであろう収入をコストとする考え方。つまり、たとえタダであったとしても実質上はお金がかかっていると考えるのです。

つまり、いくら入居者サービス等のソフト面を充実しようと、入居者が退去した後の室内の修理・修繕といったものは当然必要になりますし、建物の外壁補修とか屋上の防水工事等は絶対に省略できないのです。また、単に現状回復するだけでは最近の入居者は満足しません。より積極的に今ハヤリのものに改善し続ける必要があります。

このようなことから、アパートとかマンション経営においてはどうしても修繕費がかかりますし、また大規模修繕に備えて修繕積立金を計画的に積み立てておく必要があります。

それでは具体的に修繕費はどれくらい見込んでおけばいいのでしょうか?  また、大規模修繕のためには毎年どれくらいの修繕積立金を積み立てておけばいいのでしょうか?

これについては人によって考え方は違うと思いますが、私のところでは事業収支計画書を作成するに当たって修繕費については実績ベースで判断して、だいたい年間家賃収入の3%程度を計上しております。もちろん、物件の築年数によって異なるのですが、私のお客様(会計事務所の顧問先のこと)の場合は平均すると3%前後になっているということです。

次に修繕積立金ですが、これについては当初建築費の10%程度を大規模修繕費として積み立てるようにしております。ただし、正確に言いますと上記の修繕費3%には大規模修繕をしたときの一時経費である修繕費も含まれております。

ご承知のように修繕費のうち資本的支出に該当する部分についてはいったん資産に計上して減価償却することになりますが、それ以外は一時に損金に算入できます。つまり、上記の3%については大規模修繕をしたときの一時経費も含まれているということです。

若干分かりづらくなりましたが、要するに事業収支計画書を作成するに当たって、修繕費は年間家賃収入の3%程度を計上し、それとは別に当初建築費の10%程度を修繕積立金として積み立てるようにしているということです。

例えば、当初の工事費を3億円とした場合、その10%は3000万円になります。そして大規模修繕を10年目、20年目、30年目に実施するとしますと、資本的支出部分だけで1回当たり1000万円かけられますが、この程度で十分ではないでしょうか?

なお、マンションの場合の大規模修繕の周期は平均で12~13年です。

2007年06月08日

面倒になった役員給与の税務

平成18年度の税制改正により、役員に対して支給する給与について法人税法の取り扱いが大きく変わってしまいました。

もともと役員に支給する給与については1冊の本になるぐらい複雑だったのですが、それに輪を掛けて難解になったのです。以下、簡単に内容をご説明しますが、国が民間の給与についてまで細かく介入するようになってきたという印象です。

「民間にできることは民間に!」と言いながら、はやり任せらないのでしょうか、様々な届出書を要求するようになったのです。公務員というのはどういうわけか民間人を管理したがるようです。

それはさておき従来は役員給与を「役員報酬、「役員賞与」、「役員退職給与」の3つに分けておりました。

まず役員賞与というのは一般社員の給料に当たるもので、簡単に言えば月給のことです。これについては不相当に高額でない限り損金に算入できておりました。

次に役員賞与ですが、これは一般社員であれば夏季賞与、冬季賞与、決算賞与等に当たるものです。これについては一切損金(経費)に算入できなかったのです。その理由は利益処分に当たるからというものですが、要するに配当と同じ位置づけだったのです。

利益処分ということは税金を支払った後の利益なら株主とか会社の経営者で分けても良いですよ、というものです。

ところがこれについては事前に届出をしておけば損金に算入できるようになったのです。従来は一切損金に算入できなかったものができるようになったのだから万々歳ではないか、と言えなくもないのですが、事前に届出をしなさいということがどうにも気になります。

役員の給与はキチンと申告書に明細を記載することになっておりますので、事前にわざわざ届出をする必要はないはずです。ところがこのように届出を義務付けることは双方にとって手間が増えるばかりです(税務署だって書類を受け付けたり、たまには内容をチェックするでしょうから・・・)。何を考えているのですかね? もう少し前向きな仕事をしてほしいのですが・・・。

最後に役員退職給与ですが、これについては役員報酬と同じく過大でない限り従来どおり損金に算入できます。

ところで今回大きく変わったのは役員報酬を増額するケースです。今までは期の途中であっても増額することができていたのですが、これからは決算の承認に関する株主総会(有限会社の場合は社員総会)終了後でないと増額できなくなったのです。

つまり期の途中において柔軟に報酬を増やすことができなくなったということです。したがって、これからは次年度の収益を正確に見積もった上、1年間の報酬の額を決めなければならなくなりました。

でも、実務上はこれが意外と大変なのです。不動産賃貸業の場合でも入居者が突然退去することになり、退去後の修繕費がかなりかさむことがありますし、臨時的な出費というものは意外と頻発するのです。

でも仕方ありません、お国がやれというのですから従うしかありません。これからは中小企業であっても大企業のようにキチンとした経営が要求されるということでしょう。