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住宅ローン控除制度が変わりました

住宅ローン控除制度とは住宅ローンを組んで新たに住宅を取得した場合、年末の住宅ローン残高に一定割合を掛けた額を所得税から控除できるというものです。

家屋の床面積が50㎡以上であること等、一定の条件をクリアーする必要がありますが、これらの適用要件を満たせば当然ながら申請すべきものです。

ところで今回の税制改正で、この住宅ローン控除制度が一部変更になりました。従来は控除期間が最長10年だったのですが、改正で15年間の控除制度が設けられたのです。

10年が15年に延長されたのですから嬉しい限りですね、と言いたいところですが、そうは問屋が卸しません。15年に延長する代わりに控除割合を引き下げたのです。

つまり従来は当初6年間は1%、残りの4年間は0.5%だったものを、改正では当初10年間は0.6%、残り5年間は0.4%としたのです。トータルの控除限度額は200万円(平成19年度に取得・居住した場合。平成20年度は160万円)で変わりません。

トータルの控除限度額を変えないで、なぜこのような面倒なことをしたのでしょうか? その理由は国から地方への税源移譲にあります。ご承知のように地方分権を推進するため、平成19年度より所得税の税率を下げる一方、住民税の税率を上げました。

そして、この住宅ローン控除制度は所得税だけを対象にしているため、このままでは人によって控除額が減ってします可能性があったのです。

例えば、年末の借入金残高が2500万円の場合で考えてみます(平成19年度は2500万円までが対象ですから、これ以上の借入金であっても結果的に同じです。なお、平成20年度は2000万円までが対象です。)。

現行制度では当初6年間の控除割合は1%ですから、最大25万円控除できます。この場合、25万円以上の所得税を支払っていた人にとっては全額を控除できたのが、所得税の税率引下げで税額が20万円になったとすると20万円しか控除できなくなってしまうのです。

このように、所得税の税率変更によりソンをする人が出てくる可能性があるので、それを補填する意味で細く長く控除できるようにしたのです。ところで、この改正は控除期間の特例ということで従来の10年控除も選択適用できます。

高額納税者にとっては従来のように10年控除を使ったほうが早く控除できますので有利です。ご自身の税額がどのように推移するかをよく勘案して有利なほうを選択するようにして下さい。

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