企業・法人の賃貸運用

CRE戦略をきちんと行う意義とは?

CRE戦略をきちんと行う意義とは?

 CREコンサルティングの意義(=企業にとっての効果)

 企業がCRE戦略をきちんと行うことよって、主に以下の6つの効果が期待できます。つまり、これがCRE戦略を行う意義ということになります。

1)コスト削減 2)キャッシュの増加 3)経営リスクの分散化
4)事業承継 5)企業のブランド向上 6)資金調達力の向上 

以下、これらを順に説明します。

1)コスト削減
 立地やオフィススペースの見直しを図ることで、家賃や、管理費、修繕費、共益費や税金など直接的な不動産コストだけでなく、物流コストや当該地域における人件費・人件募集費なども見直すことが出来る可能性があります。更に、昨今はテレワークの推進などでオフィススペースの削減によってコストカットをすることも可能となります。

2)キャッシュの増加
 本業に活用されていない非事業用不動産(ノンコア不動産)を、例えば賃貸物件に切り替えることで賃料収入を得ることが出来ます。遊休地の活用として何らかの賃貸物件を建てる場合もここに該当します。

3)経営リスクの分散化
CRE戦略をきちんと行うことは、不動産が経営に与えるリスクの分散化・軽減・除去にもつながる効果があります。例えば、少し前によく言われた「不動産のオフバランス化」戦略などです。オフバランスは、不動産等の資産をバランスシート(貸借対照表)から切り離すことを言います。
 資産保有に伴うリスクや負債の軽減、キャッシュフローの獲得などの効果がある一方、資産利用コストの増大、キャピタルゲイン獲得機会の喪失などのリスクがあります。例えば、あまり活用されていない不動産があり、その不動産の返済を行っている場合等があります。

4)事業承継
 M&Aなど事業承継の際に、活用されていない不動産を保有していることがマイナス評価となる可能性があります。不動産を保有していれば固定資産税や都市計画税がかかりますし、いざ売却しようとしてもすぐに売却できるとは限らないからです。一方、有効活用している不動産が多ければ、前述のように事業価値として計算できるため、事業承継の際にはプラスに評価されることが多いと思われます。
 また、中小企業の事業承継の場合には、保有している不動産のうち、企業が保有する不動産とオーナーである個人が保有する不動産が混在している場合があります。企業が利用しつつもオーナーの個人が保有しているような不動産があれば、企業へ売却するなどして、事業承継後も不動産を利用できるようにすることもCRE戦略の一環として挙げられます。

5)企業ブランドの向上、採用時のプラス評価
 CSRの一環として企業不動産を活用することで、企業のブランドイメージが向上する効果が期待できます。広告宣伝にもなるので、間接的には売上の増加も期待できます。
 また、社宅を保有することで、新卒採用などにプラスに働くことが多いようです。

6)資金調達力の向上
 CRE戦略の導入によって、不動産価値の上昇やキャッシュフローの増加に成功した場合には、副次的な効果として資金調達力が向上します。その不動産を担保にお金を借りれる可能性が高くなります。

 以上、6つの意義をあげましたが、各社の状況によりそれ以外にもいろんな効果があると考えられます。

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