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いまさら聞けないZEHとは? ~シリーズZEH賃貸住宅②~

いまさら聞けないZEHとは? ~シリーズZEH賃貸住宅②~

 シリーズZEH賃貸住宅の第2回目はZEH賃貸住宅で使える補助金や優遇金利について解説します。
 行政からの補助金には枠が設けられていたり、申請期間が設定されていることがありますので、必ず最新の情報を入手してください。

ZEH―M の補助金

 戸建住宅へのZEH補助金は、広く浸透してきましたが、ZEHマンション、ZEH賃貸住宅への補助金もあります。
 環境省が、「集合住宅の省CO2化促進事業(経済産業省連携事業)」として、令和5年度分も補助金を概算要求に申請しています。

以下、環境省資料より、抜粋です。

 下記①と②を目的として、補助金事業を行います。

① エネルギーの自給自足により災害にも強く、ヒートショック対策にもなる集合住宅のネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH-M:ゼッチ・マンション)の更なる普及、高断熱化の推進

② 2030年までに新築住宅の平均でZEHを実現。2030年度の家庭部門からのCO2排出量約4割削減(2013年度比)に貢献

 補助の内容は、下記の通りです。

 集合住宅の省エネ・省CO2化、高断熱化を支援するため、以下の補助を行う。

① 新築低中層ZEH-M(5層以下)への定額補助:50万円/戸
(年度により40万円~55万円異なります)

② 新築高層ZEH-M(6~20層)への定率補助:補助率1/2 (補助率は年度により1/2~1/3)

 補助の内容に幅を持たせているのは変更される可能性があるからです。必ず最新の情報を入手してください。また、各省庁他行政機関の補助金には申請期間が定められていたり、補助金総額が決まっていたりする場合があり、上限に達すれば受けられない点なども、セキスイハイムの担当者までご相談ください。

金融機関の賃貸住宅向け融資

 一般的に賃貸住宅建築向け融資では、金融機関がハウスメーカー等と提携を結び、提携企業経由での融資案件については優遇金利適用を行っていることが多く、賃貸住宅建築では、こうした提携の民間金融機関で借りるオーナーが大半となりました。表向きの金利(店頭金利)において、特に変動金利については、店頭金利がどこもあまり変わりがなく、また大きな金利の変化もない状況に見えますが、実際は優遇のマイナス幅で調整している、というのが実態です。
 一方で、公的な金融機関である住宅金融支援機構でも、一定の条件がありますが、賃貸住宅建築融資が行われています。

金融機関の賃貸住宅向け融資の優遇策

 ZEH仕様の戸建住宅(自用)に対する優遇金利の適用は、メガバンクをはじめ多くの金融機関が提供する住宅ローンで見られます。優遇金利はマイナス0.01%~0.05%程度が多いようですが、そもそも現行(22年年末)の住宅ローン金利(変動金利)は、0.5%を下回っている金融機関が多いため、その上の優遇が受けられることになり、さらに超低金利で融資が受けられることになります。

 また、ZEH仕様の賃貸住宅向け融資に、戸建住宅同様の優遇金利を適用するところが増えてきました。

 ある大手地銀では、昨年12月から、「ZEH基準に対応した賃貸アパートや賃貸マンションなどの環境配慮型賃貸住宅に資金協力する際の事務手数料を免除する」、サステナブルアパートローンを導入しています。

 また、あるリース系銀行では、「申請時の金利から、市況に応じて一定分金利を低く抑える(例えば-0.05%や-0.1%等)」という優遇金利の適応を始めました。 

 また、ある地銀では「ZEHアパート応援プラン」として「取扱手数料を優遇(免除ではなく、値引き)する」というものもあります。

 ここまで、いくつかの金融機関の例を挙げましたが、金融機関にとって、「ZEH賃貸住宅向け融資は有望な市場」、というだけでなく、これからは多くの物件がZEH仕様になりますので、事前にその市場を開拓したいと思っての優遇だと思われます。

 こうしたことから、今後ますます多くの金融機関が、ZEH賃貸住宅向け融資の優遇処置を行うものと思われます。
 これから賃貸住宅を建築し、融資を受けようと考えている方は、情報を集めておくとよいでしょう。また、各機関からの様々な補助金も用意されていますので、合わせてメリットを享受したいものです。

執筆者一般社団法人 住宅・不動産総合研究所

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