ハイム通信

ZEH住宅は優遇!住宅ローン減税の延長と賃貸併用住宅での適用要件

ZEH住宅は優遇!住宅ローン減税の延長と賃貸併用住宅での適用要件

 22年分の税制改正大綱が12月10日にまとまり、2021年末で期限を迎える予定だった住宅ローン減税が4年間延長されることになりました。
住宅ローン減税は、住宅取得の際に金融機関から借りた住宅ローンの金利の負担を軽減するため、年末のローン残高の一定割合を所得税から控除(減額)する制度です。賃貸併用住宅でも自宅部分が1/2以上を占めている等の要件を満たせば、その割合に応じた控除を受ける事ができます。

住宅ローン減税について

 「住宅ローン減税」的なもの(名前が変わったり、制度が変わったりしています)の歴史は古く、住宅ローンに対しての減税は1978年からスタートしています。住宅ローン控除は、「所得控除」ではなく、「所得税控除」のため、該当者におけるその恩恵はかなり大きいと思われます。
 住宅ローン減税は、住宅取得の促進のために導入されている実質減税です。住宅に関わる産業は裾野が広く日本経済の活性化に繋がること、消費税増税の際には景気が冷え込まないための支援策として、また業界団体からの要望が根強いこと、などから長くこの制度が導入されているわけです。しかし、一方で昨今のように低金利が続く中では控除率が利息以上の実質プラスになる例も見られ、不公平感が言われていました。

 ご存知のとおり、住宅ローンは、賃貸併用住宅でも使えることから、今後賃貸併用住宅の建築をお考えの方にも影響がありますので、ここで解説したいと思います。

賃貸併用住宅での住宅ローン減税適用の要件

 今回の税制改正大綱により、住宅ローン減税については、控除率、控除期間等を見直しが行われ、かつ環境性能等に応じた借入限度額の上乗せ措置等が講じられます。また適用期間は、入居ベースで2025年末となりました。
(注:税については個人の状況により適用できないなどがあります。詳細は専門家に確認していただけますようお願い致します。)

賃貸併用住宅では、以下の要件を満たせば、住宅ローン減税を適用することができます。

・建物の延べ床面積が50㎡以上であること。
一般住宅・賃貸併用住宅とも、床面積要件は原則50㎡以上となりますが、新築住宅の場合、2023年までに建築確認を行えば、40㎡以上でもOKとなります。
→この場合の所得要件は1,000万円以下となります。

・適用を受ける年度の合計所得が3000万円以下であること
→今回の改正(後述)で2000万円以下に変わります。

・新築あるいは取得した日から6カ月以内に入居し、12月31日まで居住していること

・10年以上の住宅ローンを組んでいる事こと(ここまでは、一般住宅と同じ)

・賃貸併用住宅においては、2分の1以上が自らの居住用になっていること

そして住宅ローン減税の対象となる借り入れについては、

・借入額(住宅ローン)は自宅部分と賃貸部分の面積で按分するのが一般的です。

改正後の住宅ローン減税の内容

・控除率は現行の年末時点ローン残高の1%が 0.7%に変更されます。

・控除期間は現行の10年が13 年となります(一部例外アリ)。
→新築住宅や買い取り再販物件は13年(ただし2024年入居以降の場合は10年)。既存住宅(中古物件)は10年。

ここからは、一例です。
例えば、総額8000万円の賃貸併用住宅を購入。そのうち7000万円を住宅ローンとして借り入れ、6割が自宅部分の場合。

7000万円×60%=4200万円→4000万円(省エネ適応住宅)が上限
4000万円×0.7%=28万円(1~10年目分)
となります。

2022年度税制改正大綱による住宅ローン減税の変更点

求められる環境適応住宅

 今回の改正では、環境性能等に応じた借入限度額の上乗せ措置が講じられます。新築(再販含む)の一般住宅では控除対象の借入限度額は3000万円ですが、省エネ基準適合で4000万円に、ZEH水準適合で4500万円、長期優良・低炭素住宅で5000万円に(それぞれ、22年・23年入居分)加算されます。
 また、何らかの省エネ適合していない一般住宅では、24年入居以降分は限度額0となり、実質住宅ローン減税が使えなくなります(ただし、23年中に新築の確認申請を行っているものに関しては2000万円が限度額となります)

 セキスイハイムも積極的に取り組んでいるZEH水準適応住宅ですが、一部補助金がでるだけでなく、住宅ローン減税でも優遇され、政府も積極的に推進していることが分かります。

 ZEH水準適応住宅が今後のスタンダードになる日がくるものと思われます。

執筆者一般社団法人 住宅・不動産総合研究所

STAY&WORKSTAY&WORK

関連記事