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アパート融資、投資マンションへの貸出推移

アパート融資、投資マンションへの貸出推移
個人による貸家業の設備資金新規貸出額
個人による貸家業の設備資金新規貸出額前年同期比

 不動産投資ローンの新規貸出額が加速度的に増え始めたのは2012年頃からです。比較的利回りも良く、節税効果もある不動産投資に、低金利が後押しとなって、不動産投資への熱が高まっていきました。2016年頃は年間新規貸出額がピークを迎えましたが、その後、この不動産融資の急増に対して、金融庁・日銀が監視を強め始めました。人口・世帯数の減少が確実視される中、それ以上に賃貸住宅が増えることは空室率の上昇に繋がりかねず、経済にとってマイナスとみたためです。そして、2018年、スルガ銀行の不動産関連の不正融資が明らかになったこと等から、アパートローンなど不動産融資に引き締めの動きが広がり、同業界の一部で資金繰りが苦しくなるなど「スルガショック」が起きました。それにより、各銀行が不動産融資の引き締め体制に入りました。そのため新規貸出額も減少が続いていました。
 しかしここに来て、2021年4-6月期は前年同期比で20.9%の増加と、4年振りに新規貸出額が前年同期比でプラスになりました。新型コロナウィルス感染拡大をうけ、個人の不動産投資への関心が高まったことが背景に挙げられます。

個人による貸家業の設備資金新規貸出件数

 次に貸出件数を見ていきましょう。スルガショックを機に、融資額が減少していましたが、実は、貸出件数は、減少していないどころかむしろ、若干増加していました。一件あたりの融資額は減っていましたが、融資自体は若干増えており、決して冷え込んでいたわけではなかったようです。

執筆者一般社団法人 住宅・不動産総合研究所

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