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増え続ける二人暮らし世帯。二人暮らしに求められる賃貸住宅とは?

増え続ける二人暮らし世帯。二人暮らしに求められる賃貸住宅とは?

日本は、1960年代70年代以降、一次産業から二次産業へと産業の近代化が進み、地方から都市部への人口移動が進みました。こうした中で住宅のあり方が変化しました。一次産業では、居住と働く場所は隣接していましたが、二次産業では住まいと働く場所に一定の距離が生まれたわけです。そして現代では3次産業に従事する方が増え、また女性の社会進出が進みます。こうした中で、世帯が変わってきます。夫婦と子供というファミリー世帯は変化がありませんが、3代世帯は急速に減り、単独世帯と2人暮らし世帯が増加します。
 単独世帯についてのレポートは、時折見かけますが、「二人暮らし」にフォーカスしたレポートは少ないようですので、今回「二人暮らしと賃貸住宅」というテーマでお伝えしたいと思います。

二人暮らしの主なパターン

今回取り上げる「二人暮らし」ですが、これにもいくつかのパターンがあります。

1)夫婦のみの世帯
1-1子供がいない夫婦、もしくは1-2子供が巣立った夫婦

2)ひとり親と子供の世帯
2-1親が女性の世帯、もしくは2-2親が男性の世帯

3)カップル

4)結婚はしていないが、一緒に住んでいる(いわゆる同棲)、あるいは事実婚

などが主なパターンです。

 1-2を除く、二人世帯の多くが、賃貸住宅に暮らしています。そのため賃貸住宅経営を考えている方にとっては、こうした世帯が今後増えるのかどうかは今後の賃貸住宅需要の大きな要因となりますので、注目しておきたいものです。

 ご存知のように、近年これらすべての類型で増え続けています。では、今後はどうなるのでしょうか。

二人世帯は今後増えるのか? 東京都・愛知県では2040年以降もまだ増える!

 将来世帯の予測は、国立社会保障・人口問題研究所が発行している「日本の世帯数の将来推計」により知ることができます。以下のグラフ等は2015年の国勢調査をもとに、2019年に推計されたものです。(国勢調査は5年に一度のため、現時点で最新は2015年です)

 まず、夫婦のみ世帯の今後の予測です。

 図1は、夫婦のみ世帯の主要都市における将来予測です。
既に、人口は減少基調にあり、全世帯数は2023年頃まで伸び続け、その後僅かずつ減少する見込みとなっています。夫婦のみ世帯の数も、全国では2025年頃がピークとなります。しかし、東京・愛知・福岡の各都市では、それ以降も伸び続け、特に東京・愛知においては予測の最長(2040年)以降もまだ伸び続ける見込みとなっています。

 これを、65歳以上の夫婦のみ世帯に絞ると、図2のようになります。

 図2には、宮城県も加えましたが、宮城県ではこれから一貫して増え続けます。2040年には現在の約1.3倍の世帯数となる見込みで、その後も勢いよく増えそうです。

 それ以外の4大都市では、2025年~35年頃に一旦落ち着くものの、それ以降はまだ大きく増える見込みです。一旦横ばい期になるのは、団塊の世代の死去などに伴う要因が大きいと推測されます。どの都市も2035年以降は勢いよく増える予測となっています。

増えるひとり親世帯、しかし15年後は減少基調に

 ひとり親世帯は、ここ20年勢いよく増えてきました。

 全国では2025年頃から増加の勢いが落ち着きます。しかし、東京都・愛知県では2040年頃まで増え続ける予測になっています。

 これを、親の性別ごとにみると、図4・図5のようになります。

 増え加減だけ見ると、父親と子供世帯の方が増える予測ですが、実数では現在、母親9:父親1という割合となっていますので、この点は注意が必要です。

2人暮らし世帯に求められる賃貸住宅とは

 2人暮らし世帯では、仕事をしている現役世代と高齢世代に分かれます。高齢世帯向けの賃貸住宅については、改めて述べるとしてここでは、二人暮らし現役世代に求められる賃貸住宅について考えます。
 二人暮らし現役世代とは、「共働き世帯」か「ひとり親世帯」ということになります。

 こうした世帯に求められる賃貸住宅のキーワードは、「つながり」ではないかと思います。
 忙しい平日が過ぎた後の休日に「くつろぐ住まい」、「趣味に没頭する住まい」、「友達を呼んで、ワイワイする住まい」といったイメージです。
 また、ひとり親世帯においては、「休みの日は子どもとゆっくり楽しむことができる住まい」というイメージです。

 こうした住まいを実現するために、セキスイハイムが新しく提案する「ペアジェニックシリーズ」では、「居室」で仕切らず、空間を組み合わせた「ゾーン」での空間設計が提案しています。

 こうして設計をすることで、入居者の方々は、

・たのしい食コミュニケーション

・住まう人の快眠時間の確保

・「うちそと」がつながるリラックス空間

・テレワークで心配な光熱費の低減(太陽光発電を搭載し各住戸へ供給する賃貸住宅の場合)

などが実現できます。

「ありそうでなかった、二人暮らし向けの賃貸住宅」に住むことができるというわけです。

執筆者一般社団法人 住宅・不動産総合研究所

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