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土地を取得するための借入金利子について

土地を所有していない人がアパート経営をするためには当然ながら土地を購入するか借りるかする必要があります。

この場合、自己資金で取得するのであれば特に問題ありませんが、借金して取得する場合の借入金利子については一定の額が必要経費として認められません。具体的に言いますと次のようになります。

①土地の借入金利子>不動産所得の赤字のケース

この場合には不動産所得の赤字分に相当する借入金利子は必要経費に算入できません。
赤字分に相当する借入金利子が経費として認められないということは不動産所得の赤字はゼロになるということです。したがって他の所得と損益通算できないということになります。

②土地の借入金利子<=不動産所得の赤字のケース

この場合にはすべての借入金利子が必要経費として認められません。したがって、不動産所得の赤字の額から借入金利子の額を控除した額だけが他の所得と損益通算できるということになります。

この規定はバブル潰しのために平成4年に作られたわけですが、デフレとなった現在も相変わらず適用されています。不動産取引を活性化させるためには早急に廃止すべきだと思いますが、相変わらず政治家はピントがずれています。

ところで、このように必要経費として認められないということは、それに関する増税部分だけキャッシュフローが悪くなるということです。

そこで今回はその対応策についてまとめておきましたので、ご参考にして下さい。

1.利回りの高い物件を取得するとか、建物の割合が高い物件に買い換える。

この規制はあくまですべての物件のトータルで判断することになっています。複数物件を所有している場合には、それらの不動産所得を合算して判断するということです。

つまり他の物件の不動産所得がプラスであればトータルの不動産所得がゼロになるまでは必要経費として算入できます。

したがって現在の物件だけでは経費に算入できない借入金利子が生じている場合には、利回りの高い物件を取得するとか建物の割合が高い物件に買い換えるということが考えられます。

2.不動産所得を増やす対策を実行する。

例えば、附属設備とか構築物について定率法を採用している場合には定額法に変更するとか、金利が高いようであれば借り換えを検討するといったことが考えられます。

また節税対策として専従者給与を支払うとか不動産管理会社を設立している場合には、給与の額とか管理料の額を減額すべきです。

借入金利子というのは返済が進むに連れて減っていきますので、その時点でまた給与等の額を増やせば良いのです。

3.アパマンを法人に売却する。

この規制はあくまで個人の場合だけです。法人は規制の対象外です。したがって規模にもよりますが、メリットが高いと判断されるときは法人に売却することも一考に値します。

アパマン経営はこれからますます厳しくなることが予想されます。したがって今回説明したようなチョットしたことからでも小まめに実行していくべきでしょう。


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