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物件別損益を計算してみませんか?

アパートとか賃貸マンションを複数所有している場合、皆様方はどのように記帳されているでしょうか?

「記帳なんかしていない!」という方もいらっしゃるかも知れませんが、記帳はしていても単に支払った額をそのまま記載しているだけ、という方が多いのではないでしょうか?

つまり、複数の物件を所有していても物件毎に分けて記載している方はマレだと思います。

会社のように経理担当者がいるわけではありませんし、確定申告する場合の損益計算書も物件毎に損益を分けることを要求しているわけでもありません。

このようなことから個人で経営している場合には普段は物件毎の損益が分からないのですが、次のような対策を実行しようとしますと、どうしても物件毎の損益がどうなっているのかを把握しておく必要があります。

例えば、①リフォームする、②建て替える、③売却する、④贈与する、といったケースです。以下、簡単にご説明しておきます。

まず①のリフォームですが、リフォームしようとしている物件がどれほどの収益を上げているかが分からなければ、そもそもリフォームの規模、内容が分かりません。

それほど儲かっていないにもかかわらず多額の投資をしたのでは困りますし、意外と儲かっているということになれば思い切ってお金をかけることができます。

次に②の建て替えですが、これも基本的に①のリフォームと同じです。なお、建て替えの場合は数年前から計画的に準備しておく必要があります。

アパート等、それほど規模が大きくなければそうでもありませんが、賃貸マンションとか貸ビルのようなものを建て替えるには立ち退き等の問題もありますので、できるだけ早い段階から計画しておく必要があるのです。

私のお客様の中には5年ほど前から契約更新時に通常の貸家契約から定期貸家契約に徐々に切り替えているところがあります。

また、③の売却ですが、これについては家計リストラのため第三者に売却するケースと、節税のため相続人とか同族法人に売却するケースに分かれます。いずれの場合であっても対象となる物件自体の損益とか収支状況を把握しておく必要があります。

そして④の贈与ですが、これは基本的に節税のために行ないます。当然ながら物件毎の収支が分からなければどれほどのメリットがあるのかが分かりません。

このように何らかの対策を実施する場合には、それを検討するための基礎資料が必要になるのです。

普段の記帳はドンブリ勘定でも構いませんが、こういった対策を実行しようと思ったら総勘定元帳等で各種の経費を物件別に分ける必要があります。もし、普段から何も記帳をしていないのであれば面倒でも領収証から調べることになります。

ところで実際に損益を分ける方法ですが、昨年度の損益計算書の数値を基にすれば良いと思います。その際、金額的に重要ではない項目は無視し、支払利息、減価償却費、固定資産税、修繕費、管理費等の重要項目だけを物件毎に分ければ十分です。

ただし、こういうと一般の人はビックリするほど大胆になるのですが、せめて10万円以上のものは拾い出すようにして下さい。こういう作業を通して無駄な出費が判明したりするからです。

そして、単年度の収支が計算できたら次に将来の収支も計算します。それほど重要性がなければ単年度の収支だけでも結構ですが、重要性がある場合にはできれば将来の収支も計算したほうが良いと思います。エクセルを使えば簡単に計算できます。

その際、減価償却費と借入金利子(+元金返済額)についてはエクセルの関数が必要になりますが、自分のためですからシッカリ勉強して下さい。


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