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修繕費と修繕積立金の必要額は?

アパートとかマンション経営における差別化は基本的にリフォームしかありません。もちろん、サービスの行き届いた様々な管理とか清掃等も当然必要ではありますが、これらとて基本的にはお金のかかることなのです(これらは管理費として別途必要になります)。

たとえオーナーご自身がこれらの仕事をやったとしても機会原価(費用)という考え方からすると実際上はお金がかかっているのです。

※機会原価(費用)とは、その仕事をすることによって犠牲となる他の仕事から得られたであろう収入をコストとする考え方。つまり、たとえタダであったとしても実質上はお金がかかっていると考えるのです。

つまり、いくら入居者サービス等のソフト面を充実しようと、入居者が退去した後の室内の修理・修繕といったものは当然必要になりますし、建物の外壁補修とか屋上の防水工事等は絶対に省略できないのです。また、単に現状回復するだけでは最近の入居者は満足しません。より積極的に今ハヤリのものに改善し続ける必要があります。

このようなことから、アパートとかマンション経営においてはどうしても修繕費がかかりますし、また大規模修繕に備えて修繕積立金を計画的に積み立てておく必要があります。

それでは具体的に修繕費はどれくらい見込んでおけばいいのでしょうか?  また、大規模修繕のためには毎年どれくらいの修繕積立金を積み立てておけばいいのでしょうか?

これについては人によって考え方は違うと思いますが、私のところでは事業収支計画書を作成するに当たって修繕費については実績ベースで判断して、だいたい年間家賃収入の3%程度を計上しております。もちろん、物件の築年数によって異なるのですが、私のお客様(会計事務所の顧問先のこと)の場合は平均すると3%前後になっているということです。

次に修繕積立金ですが、これについては当初建築費の10%程度を大規模修繕費として積み立てるようにしております。ただし、正確に言いますと上記の修繕費3%には大規模修繕をしたときの一時経費である修繕費も含まれております。

ご承知のように修繕費のうち資本的支出に該当する部分についてはいったん資産に計上して減価償却することになりますが、それ以外は一時に損金に算入できます。つまり、上記の3%については大規模修繕をしたときの一時経費も含まれているということです。

若干分かりづらくなりましたが、要するに事業収支計画書を作成するに当たって、修繕費は年間家賃収入の3%程度を計上し、それとは別に当初建築費の10%程度を修繕積立金として積み立てるようにしているということです。

例えば、当初の工事費を3億円とした場合、その10%は3000万円になります。そして大規模修繕を10年目、20年目、30年目に実施するとしますと、資本的支出部分だけで1回当たり1000万円かけられますが、この程度で十分ではないでしょうか?

なお、マンションの場合の大規模修繕の周期は平均で12~13年です。

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