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同族法人の管理料、いくらまでなら認められるか?

アパートとか賃貸マンションを管理する同族法人を設立して所得税の節税をしようと考える人が増えておりますが、この場合、管理料としていくらまでなら認められているのでしょうか?

これについてモノの本では20%未満であればOKであるとか、8%が限界であるとか様々な情報が飛び交っています。これではオーナーの皆様方としては迷ってしまうのではないでしょうか? 

税務署が公開してくれれば参考になるのでしょうが、残念ながら絶対公開はしません。唯一公開しているのは裁判例と裁決例(国税不服審判書での審判例)です。そういったところでは税務署が一般的な管理料の事例をいくつかあげ、それより高い金額については否認しようとしますが、比較する事例は全て専門の管理会社の管理料です。同族の管理料ではないのです。なぜだか分かりますか? もし、同族の管理料の事例を挙げれば裁判例とか裁決例といった公的な書面に載ってしまい、まずいことになるからです。

このように、否認する根拠となる管理料は同族の管理会社の管理料ではなく、専門の管理会社の管理料なのです。それでは専門の管理会社の管理内容と同族の管理会社の管理内容は同じなのでしょうか? 例えば、借入金の繰上げ返済をすべきか否かということを専門の管理会社は相談に載ってくれるでしょうか? また、管理会社であれば入金の管理は当然ながらやってくれるでしょうが、各種経費の経理処理までやってくれるでしょうか? これ以外にもいろいろありますが、要するに両者の管理にはかなり違いがあるのです。

それにもかかわらず専門の管理会社の管理料を世間相場とするのです。同族の管理会社では管理の代行だけでなく経営の代行もやっているのだということを調査官に話すのですが、どうも聞く耳を持たないようです。あまりしつこく言うと法人格を否認するとか何とかノタマウので引き下がらざるを得ません。

このようなことをいくつか経験させていただいた結果、だいたい次のように対応すれば良いのではないかと考えております。

1.最大管理料は家賃収入の15%程度とする。今でも20~30%程度ならOKだったと言う専門家もいますが、規模が小さいので調査対象に選定されなかっただけだろうと思います。税務調査というのは規模の小さいものまでイチイチ対象にはしないのです。

2.専門の管理会社に管理を委託している場合には、その管理料を15%から控除した額を同族の管理料とする。要するは全体で15%程度にするということです。

3.この程度の管理料ではあまり節税にならないという場合には建物の所有権自体を別の者に移す。例えば、所得の少ない配偶者とか子供の嫁、あるいは孫などに建物の所有権を移す。法人を設立して、その法人に建物を売却するといった対策を実行するわけです。これらは非常に効果がありますので是非ご検討下さい。これらの対策はキチンとやっておけば今のところ全く問題になっておりません。

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